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08年8月28日(木)

アフガニスタン発、伊藤和也さんの悲報に…2008

 ほんとうに悔しい。やりきれません!…アフガニスタンで、武装勢力に拉致されていた「ペシャワール会」の伊藤和也さんが、遺体で発見されたとの報道です。反政府武装勢力タリバンが犯行を認めているとのこと。絶対に許せない!

 昨年11月、京都で行なわれた「ペシャワール会」の中村哲さんの講演が、頭をよぎります。

 …アフガニスタンは過去最悪の状態にあり、農地の砂漠化、300万の難民、治安悪化、タリバンの復活。その背景には干ばつと戦乱での疲弊があり、農地を失った農民は、難民になるか軍閥や米軍の傭兵になるしかないという現実を告発した中村さん。同時に、現地の人々には“親日感情”があり、その背景に「日本は原爆の被害から復興し、経済成長しても戦争はしない国」という“美しい誤解”があったといいます。

 折りしも、「“対テロ戦争”のため、インド洋での給油継続を」と政府与党がやっきになっていた時期です。そのことについて私が質問すると、中村さんは、今回のことで「日本よ、お前もか!?」「ナンセンス!」とのマイナスイメージが広がりつつある、と答えられました。

 パキスタンやアフガニスタンで、“丸腰のボランティア”でこそ住民に信頼されるんだと、20年以上も活動し、大きな成果をあげてきた「ペシャワール会」。…その活動には本当に敬服するばかりです。右の著書は日本人ワーカーたちによるもの。伊藤和也さんが「農業計画担当」として現地の人々と一緒に「緑の大地計画」(02年3月〜)をすすめた報告も載っています。

 それなのに今回、その「ペシャワール会」までが武装勢力の標的とされてしまいました。…背景には、日本の戦争支援によって“日本への美しい誤解”が崩壊しつつあること、そしてアメリカや日本がやってきた「対テロ戦争」そのものの大破綻があることは、あきらかだと感じます。

 〈 以下は、中村哲さんによる文章です 07.8.31「毎日」 〉

――テロ特措法延長問題を議論する前に、今なお続く米国主導のアフガン空爆そしてアフガン復興の意味を、今一度熟考する必要があるのではないか。日本政府は、アフガンに1千億円以上の復興支援を行っている。と同時にテロ特措法によって「反テロ戦争」という名の戦争支援をも強力に行っているのである。

――「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか。干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な「安全保障」になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、戦後の日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった。

――他人事ではない。特措法延期で米国同盟軍と見なされれば反日感情に火がつき、アフガンで活動をする私たちの安全が脅かされるのは必至である。

 …“他人事ではない”現地スタッフの痛切な警告が、現実のものになってしまったいま、今度こそ、戦争支援法(新テロ特措法)の延長は絶対にやめるべきです!

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