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11年10月 3日(月)

“四角い釘”と国宝・知恩院の修復をめぐって…2011

 9月21日から開催されている府議会9月定例会。先週までに、本会議の代表質問・一般質問が終わり、今日は文教常任委員会の1日目です。

 府教育委員会と文化環境部からの報告事項について、国宝・知恩院の保存修理にかかわる問題で質疑を行ないました。

*         *

  “四角い釘(くぎ)”って、ご存知でしょうか?…千年以上も日本に伝わる鍛冶技術による和釘(わくぎ)のことで、文化的建造物、例えばいまやっている東寺の修理などでも、この四角い釘がたくさん出ていますが、400年前の大修理に使われたものだそうです。

 そして京都にはいまも“四角い釘”をたたく鍛冶屋さんが存在しており、こうした伝統的技術が文化財の修復に欠かせない役割を担ってきました。

 ところが、今回の報告によれば、府教委が発注した国宝・知恩院の修復(素屋根工事)には、スーパーゼネコンの清水建設が参入!しかも、予定価格11億円のところを8億円台の「最安値」で落札しています。

 …調べてみると、入札自体にスーパーゼネコンしか参加できない条件(点数など)が設定されており、府内の建設業者は入札参加さえできないでいたのです。

 こういう文化財に関わる仕事は、「安い=良かった」なんて言ってたらエライことになります。だって、“四角い釘”に象徴される伝統的技術によって文化財を守ってきた京都の業者・職人は「門前払い」で、一方、効率主義のゼネコンとは海外生産の「1箱ナンボ」の安いネジの世界ですから。

 …こんなことを府がやっていては文化財修理が「効率優先」で変質してしまうじゃないか!?と、きびしく指摘し、入札の改善を求めました。

 府教委は「今回は、素屋根工事ですから、文化財本体とはちがう」と言いますが、次回、文化財本体工事では、ぜひとも京都の業者・職人を優先・育成する角度で改善してもらいたいものです。

 …千年紀をまたぐ国宝文化財を守る京都だからこそ、伝統的技術を受け継ぐ次世代の職人・業者を育てる視点こそ必要だと思うのです。

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メッセージ

国宝といえど、知恩院は浄土宗総本山の「宗教法人」のはずですが、
西本願寺や東本願寺など、大きな寺院建築の修復は、京都ではかなり需要があるはずですが、
それでも「ゼネコン」に丸投げするんでしょうかね。

たぶん、西本願寺の修復工事が終わるまで東本願寺の工事が始められなかったから、いま「親鸞聖人750年大遠忌」法要に工事中・・というかっこ悪い状態になってるはず。

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