トップ > 成まりブログ >

08年6月11日(水)

アートdeArtU(8)“音のないメロディー”くるくる弧を描く――ドメニカ・レガッツォーニ/楽器から生まれた作品展e001_artde)アート de Art

 ドメニカ・レガッツォーニさんという女性アーティストによる「楽器から生まれた作品展」を、ギャルリー宮脇に訪ねました。

 イタリア・ミラノを拠点にしている彼女の亡き父は、イタリアでも著名なヴァイオリン職人だったといいます。父がこの世を去った後、その工房に足を踏み入れたドメニカは、遺されていたヴァイオリンの部品や木材片を見つけます。

  楽器独特のカーブ曲線や「f」の字、糸巻き、駒、弦、木のぬくもり、ワニスの匂い…。

 彼女は、それらの品々が持っている不思議な造形に魅かれ、触発され、そして父を始めとしたイタリアの伝統的な楽器職人とその“手仕事”への畏敬の念をこめて、奏でられるはずだった音の響きをイメージしながら作品をつくったそうです。

 未完成のままの楽器を遺し眠りについた職人の父と、それらを集め、組み合わせ、彫りすすめて、コラージュやオブジェに生まれ変わらせた美術家の娘。これらの作品は、彼女とお父さんとの“コラボレーション”です。

 イタリアを始めヨーロッパで大きな話題を呼んだ彼女の一連の作品展は、日本では初めての紹介です。美術と音楽。ちなみに彼女の弟はヴァイオリン奏者として活躍中とのこと。

◇         ◇         ◇

 ギャルリー宮脇といえば、この連載でも紹介した「アールブリュッド(生のままの芸術)」など、いつも興味深い企画展をされている京都の老舗画廊。「螺旋階段」の画廊としてもおなじみで、今回は「楽器から生まれた作品」たちから“音のないメロディー”がくるくると弧を描いて流れ出すようで、心地良い。

*ドメニカ・レガッツォーニ/楽器から生まれた作品展6月15日(日)午後6時までギャルリー宮脇(京都市中京区寺町通二条上ル東側 ☎075−231−2321)

  『京都民報』6/15付「成宮まり子のアートde Art」掲載

ページの先頭へ

メッセージ

企画の案内を送ります

芸術って何だ? 表現って何だ?芸術を学ばれている学生のみなさん、若い作家のみなさん
作品を作るときにはどんなことを考えて制作をしていますか?
美術表現で大事なことって、何だと思いますか?
そういう話を、みなさんの友人どうし、大学の中では話していますか?
今回は若い作家、美大生はもちろん、ベテラン作家も含めて創作活動の肥やしとなるように、いま個展開催中の作家の方に自作を語っていただくことをきっかけにして、
参加者どうしで、美術のこと、表現のこと、どんなことを普段は考えているのか、思いを出し合い、交流してみたいと思います。

きっと今後の創作活動にも刺激になると思いますので是非参加して下さい

※尚、この企画のメイン講師の高谷光雄先生(染織作家・京都精華大学教授)の個展が開催されていますので、できるだけみなさん展覧会をご覧頂いてご出席願います
(観ることのできなかった方でも参加できます)。

●日時/2008年7月6日(日) 6時〜9時ごろ 
●場所/ひとまち交流館京都 2階 第1会議室
参加費/大人 1000円  学生 500円
主催/美術と社会 研究会
問い合わせ先/古井 miekofurui@leto.eonet.ne.jp

メッセージを投稿

成宮まり子へのメッセージをお送りください。(個人情報を省いて、ホームページ上で公開させていただく場合があります。またメッセージはすべて読ませていただき、今後の活動の参考にさせていただきますが、お返事できない場合があります。ご了承ください)

※迷惑書き込み防止のため、句読点(、。)を一ヶ以上含めてください。

ページの先頭へ

関連記事

このページのトラックバックURL: