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07年2月 1日(木)

「女性は産む機械」厚労大臣発言に/泉孝英中央診療所長対談2007


 南区の村田機械(吉祥院)前で宣伝。正社員と派遣が半々とのこと。通勤の労働者が車を止め窓を開けて、ビラを受けとってくれます。


 続いて、『京都民報』企画で泉孝英さん(京都大学名誉教授)を、中央診療所(財団法人京都健康管理研究所)に訪ね、子どもの医療費無料化制度が府・市で前進した話から始まって、医療や社会保障へのお考えを聞きました。



 〜10歳で敗戦を迎えたが、そのとき日本の軍事費は国家予算の85%。残りわずか15%だから社会保障なんてあったもんじゃない。その反省から憲法ができ、9条で戦争放棄、25条で国民の「生存権」を保障する社会保障は国の責任だと決めたことが非常に重要だ、とおっしゃいます。


 「アメリカに渡り、ニューヨークで貧富の格差にぞっとしたね。すでに40年前に。その後スウェーデンに行って、公営化された医療に眼からウロコだったよ。」と。そして「憲法25条を忘れたらダメだ。消防や水道と同じく医療はライフライン。社会主義でなくても公営にすべき」と強調されました。

 「防衛省なんてとんでもない」と泉さん。戦後、新しい憲法を学んで「戦争放棄、主権在民にときめくような印象をもった世代」だと言う泉さん。「改憲論のねらいは9条ですよ。いま憲法を思い出さねばなりません。憲法からあまりにも乖離したことが日本社会の大混乱の原因」と憲法への思いを話されます。

 …やっぱり憲法9条と25条はセットで戦争の反省に立ったものなんだと納得。

 最後に「医療は企業や個人の利権の対象ではだめ。ぜひ公営に。共産党さんあたりがこれ主張してよ」とのご注文をいただきました。

 …医療や社会保障への大攻撃があるいまだからこそ、改悪に反対する運動と共同を広げながら、そのなかで“あるべき日本の医療制度”についてもっともっと多くの専門家のみなさんとも議論していくことが大事なんだな、とつよく感じました。

 帰りに「ギャラリー妖精村」に寄ると、なんと永田萠さんとばったり!「世の中がいろいろ動いてるわね。『女性は産む機械』なんてひどい。女性ががんばらなきゃね」と萠さん。

 …ほんとうに柳沢厚生労働大臣の発言はひどい! 批判の世論も高まっています。この際、私の思うことを書いておきます。

★まず、発言そのもの(報道による)…女性が子どもをたくさん産んでくれないという問題で、30年後の女性の数は決まっているとして、「産む機械っちゃーなんだけども、装置が、もう数が決まっちゃったと。機械っちゃなんだかも知れないけども、…あとは1つの、ま、機械って言ってごめんなさいね。産む役目の人が、1人頭でがんばってもらうしかないんですよ」

 問題は2つあると思います。
@「機械・装置」という言葉には、人間でなく機械、人格でなくモノ、というニュアンスがつよい。
 →実際に、「産む装置」として女性が酷い目に遭ってきた歴史があるわけです。戦争中、「産めよ殖やせよ」と子ども=将来の兵士、を作ることとされ、どれだけたくさんの女性が悲しみ苦しんだか、どれだけの若者が「お国のため」と侵略戦争にいのちを散らしたか、…その反省から、戦後、産む産まないは個人の自由だし、なにより人間の尊厳を大切にしようという憲法ができたのに、それをふまえていない。

A発言全体の主旨が、産まない=女性ががんばらない、つまり少子化は女性の「自己責任」との考えを表現。
 →「産め」といっているが、「産む・産まない」は個人の問題。これは前提。
 →さらに「産みたい」と願っても、「産めない」「育てられない」さまざまな要因・不安をがいまの社会にあり、「産み」「育てる」ことへの「リスク」を拡大したのは誰かという責任を免罪して、少子化を「産まない」女性だけの責任にしている。
 厚生労働大臣といえば、子育て支援をはじめ、両性の平等(さらにジェンダーフリー)をすすめる責任者。柳沢さん個人がどんな考えをもとうと自由だが、厚労大臣という役職との関係では、この仕事にもっともふさわしくない人物。すると、首相の任命責任、首相の厚生労働行政、女性や少子化をめぐる問題への認識が問われる。

 ついでに、「人間をモノのように使う」といえば労働法制の「規制緩和」による不安定雇用拡大と「ホワイトカラーエグゼンプション」が大問題になってますが、厚労大臣といえばその責任者やん!

 …結局、女性も男性も、「人間をモノ」と思っているなら、さらにふさわしくありません。
 やっぱり、辞めてもらうべきじゃないでしょうか。

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